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 ■ 番外編ー忙中さぼり閑ありー
Date: 2004-10-13 (Wed)

情けない日記が書いてあったから本日は番外編。

水泳選手の長女のノエリアが、今月、新しく移籍したクラプで
何か新入会のお祝いをいただくらしい。

無骨なクラブのくせに意外な高級ゴルフクラブのレストランで、正式なディナーパーティが行われる。百人以上が全員正装だと言うので、暮夜ひそかに私の宝石を試して見ている娘心だ。

最近、父親一辺倒だったのが突然、私の助言が必要なお年頃になってきている。

でも、根がスポーツ少女だから、なんとなく乱暴な立ち居振る舞いで
私がこの年の時とは全然違う娘になっている。

サロンに飾って、娘が15歳になった時に見比べようとしていた、私のろうたけた少女時代の写真は、もう、この娘と何の関係もない別世界の女の子のように浮いている。

さっぱりとした気持ちの良い、男の子のような性格は、なよついた私の若い時よりずっと好ましいのだけれど、ちょっと改まったドレスにショールなんか持たせるとどうにも格好がおさまらない。
この年に自信を失くすと生涯、劣等感から抜けれないかもしれないので
母親の私は落胆と失笑をこらえて励ます。

スペインのティーンはおませだから、もう気張った日には薄化粧はする。
この間あっと思ったらなんだか下手なマスカラとうっすらとアイラインなんか引いているではないか!!ちゃんと教えてやらないと...
照れくさくて母親に聞けなかったと見た。

 歩き方とか、小物の持ち方とか、髪の纏め方とか、気取り過ぎない正装の仕方とか...どんな時でも気後れしないで済むような服装の纏め方がポイントだとか...本当に色々な事を教えてやらないといけないのだな、と思った。

カッコいいパンツルックで惜しげも無くおへそを出して闊歩しているスポーツ少女達は、スカートやドレスになると突然、女装のジャック・レモンみたいに(って、酷すぎかな?)ぎこちなくなる。

本当に今はもう、ダレもスカートをはかない。
スカートの扱いならまかしとき!!プロなんだから、私は。あはは...


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 ■ いばらだらけざんす、芸
Date: 2004-10-02 (Sat)

最後に書いたのが8月!!
生徒のスペイン研修旅行があり、本日は第二弾到着の生徒が帰って行った。
楽しいお話もあるけれど、それはもうそろそろアップになるらしいので、私からは発表しない。

ご無沙汰になってしまうのは、新しい振り付けに入っていてとても苦しいからだ。
肉体的苦痛の方。
耳も苦痛かもしれない。
難しい新境地のリズムで歯軋りもするから歯も苦痛。

新テクニックを一からやっている。

夜になると土踏まずの横なんかが紫色に腫れている。
ふあーーーー道理で立っているのも辛い筈だぁ.....
なんでこんな所が打ち身になる?
新テクニックだから、なった事がないところがアザになる。
しかし......

そんなこんなで明日が来たら嫌だ、また、あれだ、みたいになっている。

そこへ持ってきてチビが来月スペイン選手権の予選に出る。
苛烈な稽古に入っている。毎日4時から8時まで訓練している。

上の水泳娘は更に優秀なクラブに移籍したけれど
もう、こっちが息苦しくなるような訓練になってしまっている。

前のところも結構凄かったが、こっちは過酷なまでの訓練だ。

今日など、学校から帰ったのが二時半で、昼食をかきこむ様にして
45分で家を出ないといけないのだと言う。
水泳の訓練が午後から二部に分けてなんと最終が10:30だ。夜の!!
11:00近くなって市役所前にポツンと立っている姿を見たら胸がぎゅっと雑巾絞りになった。

遠くから見るとまだ幼げで、大きなザックを重そうに片側にかついで
濡れた髪で立っている。
金曜の晩で若い子達がさんざめきながら通り過ぎて行く風景に
一人、違う様子で、なんだか姿を見るだけで少し悲しい気持ちになる。

夜の11:00に帰宅したのにもう、明日の土曜は九時から訓練らしい。

本当にこのクラブに移ってからというもの、10分と時間がないように見える。
筋肉の酷使で、長い事機械でマッサージしないとほぐれない日があるくらいだ。
太っていないのに体重が増えたと言っている。
筋肉のが贅肉より重い例の見本だ。

夜は、うちはみんなして討ち死にのようになっている。
子供達の父親は、あの、走って泳いで自転車こぐ競技でセビージャで5位になったとか言うし
最近、夜は欠かさずになんか走っている。

チビが新体操でこんなにしごかれて帰るのに、父親と一緒にお休み前に自転車でその辺に行くのを日課にしている。

どっちを見ても疲れる。
普通の、家でおとなしく絵なんか描いている子供でも養子にもらいたいくらいだ。

フラメンコの二世代分の流儀を身につけようとしているみたいな感じだ。
古い時代のフラメンコと、モダンなのと。
早く肥満体になっていれば良かった。そうしたらこんなに勉強と研究をしないで済んだのにな。

太って病気気味になるけどフラメンコは楽なのと、
体ぴんぴんしているけど、そのせいで過酷な稽古をいつまでも強いられるのと
どっちが得だろう......
自嘲を交えてよーーーく考えてみようかな。



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 ■ 帰還
Date: 2004-08-19 (Thu)

何か書こうとして前の文章を出したら
打ちのめされて書けなくなってしまった。
本当に私っていつも同じ反省ばかり。
日本に行って筋トレがまた崩れた。
どうしてホテルのイスなんか利用してでもやらないだろう。
やれないんだなぁ....
遠征ばかりの選手達はやるって言う。
下の文章よく読んでまた出直さないと。
あと50分で稽古だ。9月のイベントに向けてダッシュだ。


本当に筋トレって嫌だ。でも絶対にやらないと踊りがラクラクとやれないのだ。筋肉はシステマチックにちゃんともれなく鍛えないといけない。どんなに頭で分かっていても、継続するには哲学者でないといけない。
踊りのプロはインスピレーションで即興して、十分素晴らしく踊れるけれど、それを可能にするのは普段鍛え抜いている筋があってこそだ。
怠けるとダメになるのは、プロもアマも筋肉に関しては同じ。

清潔に生きなくては!!決まっている事はちゃんとやり、心と体を清浄にして、芸術の前に心を虚しくして、いつもその霊感が宿ってくれるように....猛反省してまた頑張ろう。芸は心の支えだ。



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 ■ お百度の母でなくて...筋トレ
Date: 2004-07-09 (Fri)

長女のノエリがバルセローナでスペイン選手権を戦っている。

昨夜、運転中の私の携帯が鳴る。
うちの人魚姫からだ。
疲れ果てた向こうと、こっちは運転中で良く話せない。
高速に乗るところだ。

「どんな?出て来る選手は。さすがに凄い?」
「もの凄い人ばっかり」
「上がった?」
「すごく落ち着かない」
昨日は400メートル個人メドレーだった
今日はもうすぐ100メートルバタフライで飛び込む筈だ。
日曜まで各種目を戦って月曜に消耗しきって帰還。

チビの方は12月のスペイン選手権(どっち向いてもこればっかりで目が回るぜ!)で、猛烈な訓練に入っている。
毎日ところかまわずに技をやって見せるから辟易としている。

あの、私が憧れたシルビー・ギエムの「六時五分前?のポーズ」は、人間業とは思えなかったものだけれど、新体操の子達はちょっと気の利いた子は誰でもやる。うちのチビはあのポーズのまま2回転を決める。
シルビー・ギエムも新体操出身だから、あれはお茶の子さいさいだったのだな、と感慨深い。私はこれだけはやってみたかったなぁ。
悔しいぃぃぃ、羨ましいぃぃぃ、アイム、ジェラーーーーース!!

子供がこんな風に体力の限界に挑んでいるので
ごたごたに忙しい中、心を鬼にして筋トレに出かけた。
今朝は体中がばらばらになった感じだ。

内転筋を鍛える。片足45キロにおもりを増やした。
もう機械のおもりの目盛りがあまり残っていない。最高が75キロだ。
すごいなぁ、ここまで行けるだろうか。
俊足この上なくなるかも知れない。

BBSにも書き込みがあった大でん筋は、どんなおもりよりアラベスクが一番利く気がする。
私はこれは上記のおもりでやってしまうが
あとでバレエでアラベスクで頑張る時の辛さは
45キロのおもりよりきつい。
思うに、アテイテュードとアラベスクに勝る筋トレはないのじゃないかな。片足で自分の体重を超えるまでのおもりをつけたら別だろうけれど。フェッテもいい。この三種を神器とばかりに今年も頑張ろう。

長らくサボり気味の腹筋を、ねじりも加えてがっちりやる。
これは一番好きではない。
でも踊り手は毎日これだけは欠かしてはいけないと、どのジャンルの踊り手でも言う。ああ、猛反省して頑張ろう。
堕落するのに努力は要らないですなぁ....あっという間に落ちる。

大胸筋は、片方10キロでやれていたのに、7.5キロでも必死。
背筋は20キロでは軽くて、25キロだと生きているのが嫌だと思って続かない。
ヒーハー、じたばたやっているとモニターが「ふえーーー!!」て顔して通り過ぎる。

本当に筋トレって嫌だ。でも絶対にやらないと踊りがラクラクとやれないのだ。筋肉はシステマチックにちゃんともれなく鍛えないといけない。どんなに頭で分かっていても、継続するには哲学者でないといけない。
踊りのプロはインスピレーションで即興して、十分素晴らしく踊れるけれど、それを可能にするのは普段鍛え抜いている筋があってこそだ。
怠けるとダメになるのは、プロもアマも筋肉に関しては同じ。

清潔に生きなくては!!決まっている事はちゃんとやり、心と体を清浄にして、芸術の前に心を虚しくして、いつもその霊感が宿ってくれるように....猛反省してまた頑張ろう。芸は心の支えだ。


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 ■ 無題
Date: 2004-07-07 (Wed)

長女のノエリが昨晩、バルセローナに発った。
スペイン選手権を戦いに行った。

毎週のように選手権に出ている。

この夏は一つのトーナメントから次の大事な試合までに
1日の移動猶予しかなかったりする。
戦った後で車で移動し、家にも寄らずに次の試合の訓練にプールに飛び込んでいる。

もう、最近では日本語をやれだの、この本を読めだのは言えなくなっている。あまりにぎっしぎしのスケジュールで他に何も入らない。

選手権の最中に私が車で駆けつけて、本当はいけないのに柵から呼んで
まるで犯罪者のように娘をぎゅっ!!と抱きしめるくらいだ。これだって監視に注意されて仲を引き裂かれた。

娘の所属するクラブのオリンピック級の選手達はほぼ全員
国の選手村(Centro de Alta Rendimiento)に移ってしまっている。
今年、トレーナーからうちの娘もここに新学期から寄宿生として推薦して入れたいと言われた。

家族生活との狭間だ。
本人は行きたくない、と言い、私も辛くて後押しできずにいる。

マラガにあるこの英才教育の選手村は、朝の六時から特訓が始まり、普通教育の学校も併設されている。全部総合してプログラムされ、学業と選手プログラムが効率よく両立できるように専門家が何人も組んで選手をオリンピック目指して育てる。
土日の差もなく、月に一度も家に帰れない厳しい訓練の日々なのだ。

まだ13歳なので、ここにやるとはとても決心がつかない。
アンダルシア選手権での目覚しい戦いぶりからすると、もうセビージャでは伸ばしてもらえないぎりぎりを超えてしまっていると思う。
今度の全スペインにはノエリ一人だけのために主席トレーナーがバルセローナまで帯同して行った。

下の娘もスペイン選手権のための訓練に入っている。

誇りに思うというより、なんだか胸が苦しい。
苦しがっている間もなく、自分の仕事に追われて稽古に出かける。
頭がぼうっとして何も結論を出せずにいる。
なんてことだ.....、そんな気持ちだ。



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 ■ ホーム、スイート・ホーム?
Date: 2004-06-25 (Fri)

終わった一休みだ、というのが一日もない。
日本から帰るなり仕事の山だ。

日記も貯まると何のことかわからなくなるから書いてしまう。

帰宅すると、もっと疲れていて口もきけないような私のファミリーがグラナダ遠征から帰宅。
ここが基地でみんなここに帰ってくる。

下の新体操娘がものすごく大きな優勝カップとーこの梨地が今までのと違う、と自慢しながらー
スポーツ新聞に大文字で自分の名前で見出しが出ていると言う。
どれどれ、と見ると本当にドカーーンと「TAMARA TOMOSHIGE優勝、アンダルシア・カップ」と冗談みたいに大きく出ていた。おお!驚く。

上の水泳娘は本当に疲れ果てていて口がきけない。
新体操よりもっと高そうなメダルを私に見せる。
おお、おお、偉かったねぇ....
終わったばかりなのに、もう
来週はアルメリアで年齢差無しの手ごわいトーナメント=こっちも水泳のアンダルシア選手権だ。
これが三日にわたってある。
今は朝と夕方の二回も特訓されている。

9月の新学期からは朝飯前の特訓が加わるのだそうだ。
早朝と夕方の二回に増えるらしい。
聞いているだけで疲れきる。
もう、水泳やめたらどうよ、と言ってみたりする。
勿論、即座に「まさか!!」と言われる。

本当にどっちの娘も個人生活で余暇なんて一つもないのだ。
私もなくて、たまにみんなで数時間あるとなんとなく寄り添って、
「どうする?」
「どこか行く? あとの訓練で疲れきるねぇ、やめとく?」
結局雑談、リラックスして過ごすことに終わる。

手芸教えたり、料理教えたり、日本史やったり
そんな風にして子供時代の思い出をいっぱい作りたいと思うのに
私だって疲れていて、みんなで疲れていて(笑)
あなた達って何? いつも家でだらだらして!!選手や踊り手なのでは?って言われそうな
だらだらのファミリーなのでした。



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 ■ 重心とリズム
Date: 2004-05-20 (Thu)

今シーズンの一番最後の大事なトーナメントは
6月にあるアンダルシア・カップだ。
私の新体操娘はこれに個人のボールで出る。

日本公演もあるし、その後でクラスも見ないといけないし、娘の試合の日程がいつかとドキドキしていた。
多分6月の後半よ、と言われていて一昨日念押ししたら
なんと他に日もあるだろうに、6/12,13だと言う。
ぴったり重なる私のトーナメントと娘の大事な試合!!
又一人ぼっちだ。
もう新体操やめてくれたらいいのに、と思ったりして。
そっちがやめなさいよ、なんて言われたらお手上げだ(笑)
上の娘の水泳トーナメントがうまくして重ならない事を祈る。父と姉が行ってくれたらこんな大勢はうちとしては珍しい。

この所、ずっと考えている事に「重心の安定」がある。
これはとても大事だ。
軸が定まっていない所にリズムは刻めないし、難しい技は失敗する。
劣等感の克服は重心と深い関係がある。
こうなるとスポーツ心理学だろうか。

ギタリストなどの音楽家と比べると、踊り手の方がずっと勉強の環境は少ないのかも知れないと思う。
ペドロは録音スタジオを運営しているので、毎日難しいリズムというものの本番を過ごしている。
そうなると毎日修羅場を経験しているのと同じなので、経験が全然違って来て当然だ。

振り付けをしていると、そこは5で始めた方がずっと効果が違うよ、なんていう発言をしてくれる。
あの振りのせいでせっかくのクライマックスでしぼむよ、という意見もあったりする。
それが私にはしぼむように思えていない場所だ。どうしぼむのか何日も考えさせられる。
ホアンの絶対音感にも驚かされる。
ものすごく耳がいいのだ。ほんのかすかな聞き分けられないような遅れとか、先走りにもうさぎみたいに耳が反応する。地雷の草原を行くがごとし。

仕事をするなら一流の人とでないと、本当にダメだと思う。
こう言う人達に限って誰よりも勤勉で誠実だったりするのだ。
ま、それだから抜きん出るのだな。説が逆でした。

今度の集中レッスンではお土産がどさどさどさ、だ。
しっかり受け止めて欲しい。


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 ■ やっと一段落
Date: 2004-05-07 (Fri)

6月に日本で公演するので毎日朝からリハーサルが詰まっている。
今日でほとんど見るべき事がないくらいの完成度になったので(たった六日間!!!)気持ちがぐっと楽になった。
やっぱりスペインフラメンコ界の頂点と言われている作曲家ギタリストを右腕に抱えていると言うメリットは凄い。
私はこの人を20年前に見初めているのだ。
本人にこれを話したら驚いていた。
夢の共演だ。
それだけでなくて、これからもずっと右腕になっていてもらいたいものだ。
もう他のギタリストでは嫌かも知れない。

リハーサルの効率の良さ、みんなの気持ちのまとまり方、全部作曲者がずば抜けていて
みんなが尊敬する気持ちが大きいからなのだ。
私の振り付けも悪くないの(と、言ってみたりする)

日頃から鍛えているから、フラメンコのアーティストには驚異的な体の柔軟さで
私とデュオを踊るホアン・オガジャは
「晶子はバービー人形みたいに脚が自在だ」と毎日言って冷やかす。
ま、何か一つくらいホアンに驚いてもらうものがないとつまらない。

古い、古いアレグリアスを踊る。
モダンな一部とは対照的に伝統のアレグリアスで、面白いとみんなが言う。
どうかなぁ、観客に喜んでもらえるだろうか。
ホアンやペドロの鋭角なリズムとは好対照で、いいかも知れない。
丸い、うねりの海のようなアレグリアスなのだ。
古い物を踊るためにはあと10キロふっくりしたい気もする。
でも二部に10キロ太ると一部で使い物にならない。
全てを網羅するのは難しいっていうので、太るのはやめている。

とにかく今日は全部のヌメロを通して完成度素晴らしかったので
明日の土曜は、チビの選手権に行ってやれる。
朝の7時に旅立って、マラガ行きの帰宅は夜中だ。

テープ持って行って体育館で空き時間に練習しよう。
うっかり踊りこんでて子供の出番を見過ごさないようにしないと!!
たまには、応援に行ってやる家族が必要だ。
何と言ってもアンダルシアチャンピォンなのだから。
あなたを誇りに思っているわ、と囁いてやらないとね。


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 ■ 親もなく、兄弟もなく....
Date: 2004-04-20 (Tue)

選手権で演技が終わると、選手達は全員観客席の親戚応援団に行って
母親なんかに甘える。
かなり大きい少女でもそうだ。
ヨーロッパ選手権のばりばりのオリンピック級の選手達でもそうだった。

ムルシア県で行われた全スペイン選手権でも、演技の後でビクトリアが全員にこう言ったという。
「さぁさ、みんなご両親の観客席に行って来なさい。タマーラ以外は」

私は耳を疑った。本当にビクトリアはそう言ったの?excepto Tamaraって?
子供はうなづいて
「そうなの。corazon duro」

心が固いとは、つまりきつい人の事だ。
無神経というくらいの意味だけれど、本当にひどい。
私だったらタマーラは私の傍にいてくれない?私が一人ぼっちにならないように、くらいの事は子供に言うけれど、と少なからず心をわしづかみにされた。
年端も行かない子供にあまりに心無い。

けれども人を恨むべきではなく、行ってやらない自分が誰よりも悪いのだ。

6月にはこの子は個人演技で全スペインに出る。
こっちのがずっと重要だ。
たった一人で43人どころではない、もっと沢山のナショナルジャッジの前に立つのだ。
それが私の公演と重なり、上の水泳娘の全スペインと重なる。
孤児のようになってしまう。

家にすらいられなくなる。みんなが旅に出てしまうからだ。
どこかの家に預けないといけない。
ああ、と、か細い小さな体を抱きしめて私は途方に暮れてしまう。


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 ■ スポンジの年頃
Date: 2004-04-19 (Mon)

昨日、よれよれになった選手達を迎えにいった。
大変な様子だった。コーチもみんな疲労がにじんでいた。
子供達にお菓子のかわいい詰め合わせをー日曜で店が休みだから映画館に出かけて買い込んできたー渡してやった。普段、お菓子は厳禁されている。けれどこんな日は別だ。

子供はぐったりしていたのに、夜になってから全スペインで見てきたウルトラCの限りを実演して止まらない。
こんな事できる子がいた。
観てて、こんなの。

こんなすごい技があった。
観てて、こんな感じ。

こんなカッコいいことする子がいた。う!できない。もう一度。

延々と続いて止まらないのだ。
ああ、この子は新体操が好きなのだな、と今更ながらに感じ入った。
しかし......

全スペインの選手権ではいつものジャッジの数とは比べ物にならないほどいたと言う。
机二つが長々と並べられていて、なんと43人のナショナル・ジャッジが厳しい目つきで採点していたと言う。
そんな前に出て演技するのなんか嫌だ。歩き方も忘れてしまいそうだ。
何んて言うか、ある意味、子供はもう私を超えてどこかの位置に行っていると感じた。

目の前で繰り広げる技にしても本当に立派なものだと感心する。
新体操を始めてやっと一年とちょっとだ。
ビクトリアに子供の成長はとても早いから無駄にする日は一日もないのだと諭されたのは一年前の1月だった。
本当に正しい発言だったと思う。
子供を持った事がないから、こんなに簡単に凄い技をあっという間に身につけるものだとは予測できなかったのだ。180度に脚を持って2回転というのは、私の娘はつい先ごろ習ったばかりなのにもう、大会で演技として完璧にやってしまっている。
私はこの同じ技を半年前からやっているけれど、まだできない。

コサックという、しゃがみこんで片足は地面に水平に長く伸ばしたまま回転する技などしゃがんだ途端に
こんな、まさか、できると思えない、と言うほど難しい技だけれど私の娘は平然とほとんど三回転する。
これにばく転、もうなんでもひょいひょいやってしまって、本人はほっぺを少し赤くしながら楽しくて仕方ないというように演技を続ける。ボールだって棍棒だってすぐにできてしまうのだ。
子供というのは、本当に簡単に何でもできるものなのだな、驚き呆れる。
全ての事が12才を基点にしてみんな終わる、というのは本当なのだと最近感じている。

ああ、頑張らないと、私も。


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 ■ 選手権と試合、公演間近
Date: 2004-04-18 (Sun)

夜になって新体操で帯同している次席コーチから電話がかかった。
タマーラの声が聴きたいのではないかと思って.....

他の選手の両親は全員、ムルシア県までついて行って
応援しているのだと言う。
へーーーーえ、片道九時間も運転してぇーー!?

みんな本当に偉い。
私は薄情だろうか。そんな遠いお出かけなんか全然したくない。
どんなにかわいい子供でも、嫌だ。
三日も遠征したら稽古に障ってしまう。

全スペイン選手権の団体演技の部だ。
五人がみんな揃って決まった難関を一人残らずやって見せないと
得点として入らないのだそうだ。一人でも失敗すると四人ができていても入らないという厳しさ。

これでチビ達は五位に入ったそうだ。
ココで又、おお、なんだ銅メダルももらえなかったのか、なんて思ってしまう。
デイエゴによると全スペインなのだから五番というのは凄いのだそうだ。じゃ、知らせを聞いたら飛び上がらないと、と準備。

携帯電話の彼方からチビが疲れのにじんだ声で
「ママが来てくれなくても淋しくないのだけれどね、おうちに帰りたい」
を、二回も繰り返した。なんだか途端に不憫になってしまった。
まだ120センチそこそこしかないか細い体で、難関突破して
明日の昼に着くらしい。
なんだか、待ち遠しい。
胸に迫って切ないくらいだ。

朝の10:00にギタリストと打ち合わせがある。
その後から心ここにあらずだろうな。

上の水泳娘は今日と明日と試合に出ている。
そう言えば、順位も記録も聞いてやらずに寝かせてしまった。
子供の試合より自分の試合で、頭が混沌なのだ。
どこかに私より薄情な母親がいるだろうか。
あんまり見かけないけれど....一人くらいいないかなぁ...



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 ■ 訓練の夜
Date: 2004-04-16 (Fri)

あと30分で真夜中の12時だ。
下の新体操娘が、いよいよスペイン選手権に向けて深夜バスに乗る。

八才だの九才だのの子供がこんな夜遅くに起こされて、雨のバス駅舎に向うなんて痛ましい。
クラブはお金がないので、こうして夜通し九時間もバスに揺られて遠い地方都市に着く。
そのまま、夜明けとともに試合前の訓練に入るそうだ。
今日は3時に体育館に送って行ったきり、もう会っていない。
私はチビを送って行くなりその足で自分の打ち合わせに入っている。

上の娘はやっぱり水泳の方のスペイン選手権の特訓に入っている。
7000メートルもしごかれて夜の10時に帰宅した。
スペイン選手権の出場権利が取得できた選手は、クラブでたったの二人だと言う。
だから鬼のようなコーチがつきっきりだ。
50メートルプールをほぼ貸切で、延々7000mって聞くだに恐しい。

大勢いればみんなが泳いでいる間に少しは呼吸が整えられるけれど、二人だと瞬時の休息も取れない。
今日一日で肩と腕が鉄人のように固くなってしまっている。
 あまりの痛ましさに、揉みほぐしてやる。もう辞めたらどうよ、と呟くと即座に嫌だと言う。
こんなに疲れ切った晩に、これから宿題って本当に気の毒だ。
学生は楽ではない。

そう言えば私も、モデル時代のロケに教科書をいっばいかばんに詰めて行ったなと思い出す。
CFの撮影というのはとても朝が早い。
で、夜になると中間や期末テストのために勉強して相当きつかった。

ロケから帰ってそのまま家にも寄らずにバレエの稽古場に直行したりしていた。

カンブレをするなり疲労で気が遠くなり、そのまま気絶した事があった。
周りの人は驚いて、先生もおろおろしていたけれど、私は気絶ってこうなのかぁ!と面白くて合点が行った。
今でもあのふわりと倒れて行く感覚を思い出すことができるくらいだ。
.........子供というのはこんな風に悲壮感がない。
ここが素晴らしいところだ。

チビも案外喜んでバスに乗っているかも知れない。

ああ、私も足が痛い。かくして一家討ち死にのようになって夜の眠りに就く。
スポーツ一家の実態、このように情けなし。



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 ■ 舞台に立つという事
Date: 2004-04-13 (Tue)


夕べ、パリオペラ座のエトワールを見て
舞台が怖い、あんまり怖くてバレエを辞めようかと思いつめていた、という告白は
身につまされた。

本当に同感だ。
私など本番の舞台経験は4800舞台くらいあるのだけれど、
それでも足が地に着かないくらいに緊張することがある。
ただの酸素の取り方さえ忘れて、踊りの出を覚えていない気になり、出た途端に失敗しそうな恐れに震えが来そうになる。
本番の日程が近づくにつれてどんどん痩せて、ノイローゼのようになったりもする。
最後はほとんど上手く行くのに、それでも毎回これで絶望するんじゃないかと日夜苦しむ。

細かい振りのつなぎのあちこちを気に病んで朝になってしまったり、もう稽古もできないくらいに足が疲れ果てているのに又、稽古場に降りてぼんやりしていたり、
はたまた寝巻きのまま、ついに汗だくになるまで踊りこんでいたり。

こんなにまで苦しむ職業が他にあるだろうかとふと思ったりする。
プロというのがお金をいただくことを意味すると限定すると、お金をあげるからこれだけは堪忍して欲しいというくらいの気持ちになる。あるいはどんな対価をもらっても、こういう苦しみに見合うものではないと言える。
だからプロと言えども、舞踊という職業は金銭ではないのだ。

このプロフェッションは、熱情だ。
観客と、何よりも自身を焼き尽くす情熱の火なのだ。
なんでこんなものにつかまってしまっただろうな、ときっとどの踊り手も何度となく自問するものだと思う。


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 ■ 訓練日記
Date: 2004-04-09 (Fri)

ああ、身辺がざわざわしていて落ち着かない。
仕事に追われまくっている。

どんな職業の人でも、創造的な事が主流の場合はみんなきっとこうなのだろうかと思う。
本気でやらないといけないっていう追い詰められ方か、それが嫌なら一つも仕事無し。
中間という贅沢は、無いのだ、と思う。
程よい加減というのは、この種類の仕事では皆無だ。

私の場合は選手の家族達が、これに三重奏を加える感じがする。
来週は木曜からいよいよスペイン選手権でムルシア県に遠征だ。
これは新体操娘のチビの方。
私はまたもや帯同しない。

クラブはお金がないから夜間バスで移動して宿泊もせずに、着くなり訓練に入って
試合なのだそうだ。夜間バスで眠れない一夜のあとで、ああいう激しいスポーツの
しかも全スペインの試合って、辛すぎる。
寝不足だとバランスを崩しやすい。

日本の選手が何によらず、外国とか遠征で力が弱いと言われるのは
案外、こういう点で恵まれすぎているからかも知れないとふと思う。
ウクライナの新体操チームはお金がないからと、三日三晩バスで東欧からスペインに着いた。
辛い国の選手ほど強い。
何か考えさせられる。
襟をただす思いだ。

同じ週末は、水泳娘の方が何かのコンペテイションだ。何かのリーグ。
勿論これにも行かない。
みんな頑張ってね、と送り出すだけ。
他所の選手達には親戚一同がどこまでも付いて行って、旗を振り回したり色々する。
うちは、家族がみんな一人で、応援無しで孤独に戦うことに決まっている(笑)

6月のアンダルシア・カップの決勝と全スペインの決勝では、私は日本公演でここにすらいない。
姉妹、父親が別々の県に遠征するので、家族が家にもいない。
「家なき子」になってしまうので、新体操娘はコーチの家に試合のずっと前から預けないといけなくなる。
この先もこんな風に生き延びて行くのかな。
やれやれ、だ。



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 ■ 自家伝
Date: 2004-03-31 (Wed)

最近は新体操の方も全然見てやれない。
車で疾走して行って娘をかっさらって帰るだけだ。
たまについ、と言う感じで数分、選手の演技にみとれる程度。

土曜日にお膝元のここで選手権だと言うのに、まだ自分の娘の演技もちゃんと見てない。
家に帰ってから「ママ、前よりずっと振り付け難しくしたのよ」と言うものだから
パジャマに着替えてしまった後で
「どれ、やってご覧」

そうしたら「ウオームアップできてないから適当だけどね」、とか言いながら
脚を180度に持って2回転決めたので驚いてしまった。

激しく叱責してからまだいくらも経っていない。
ダメになるのも早いけれど、良くなるのも本当に子供って早い。
嘘のようだ。

ピーンと伸びたカッコいい脚で、まともに、
シルビー・ギエム顔負けのあの六時五分前だかの、あのポーズで
2回転してしまう。

お家だと良くできないんだけどね、裸足だし......と彼女ははにかむ。

おお!........これで元は取ったと言う気がする。
何だかかなり嬉しくなった。

ああ、もっといっぱい色々な舞踊の何もかもが教えられたらいいのにな、と思う。
時間が無くて伝えられない。
自分の何もかもはこの子だったらみんな吸い取ってくれるだろうに、と思うが上手く行かないものだ。
時間がない。根気もないかもしれない。私の方に。
紺屋の白袴とは良く言ったものだ。
自分で育ってくれるしかないな。惜しい.....


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 ■ 舞踊とスポーツの狭間で
Date: 2004-03-30 (Tue)

いよいよ選手権シーズンの幕開けだ。
昨日の体育館では、こんにちは、も
又ね、の短い挨拶もできない程に緊張感が漲っていた。
本当にデイエゴとすら一秒も話せない。
いつでも何か聞きたい事の一つ二つはあるのだけど切り出せない。
つまりそのくらいに、本当に無駄がないし、鋭利なナイフも入れられないくらいな真剣さなのだ。

ビクトリアと知り合って丸一年が過ぎた。
彼女の怒鳴り声にはすっかり慣れてしまったし、子供がかわいそうだとは全然思えなくなってしまっている。
どちらかというとビクトリアに同情する気持ちの方が勝つ。

選手の演技中に彼女は怒鳴り声の合間は低い小さな声で、ああ、ダメだ、何やってる!とかつぶやいている。
本当に一秒も休む間もなく擬視しているのだ。
「あんた、恥ずかしいと思わない?!演技が終わって息も絶え絶えになっていないといけないのに
全く変わらない呼吸でつらーーーっとしていて。いかに楽して適当にやっているかよね。
見ている私の方が苦しみで呼吸が乱れているというのに!!」

これは本当なのだもの、この辛らつさには、胸の苦しくなるような思いがこもっている。
ああ、そうなんだな、彼女はこうなのだ、とあらためて知る思いがした。
ちょっと肩をさすってやったら、目だけは選手から離さずに
「だってそうなのよ、アキコ、あれだって何回言ってると思う?」
子供だって顔が青ざめている。でもビクトリアの顔の方がもっと同情してしまうのだ。

今週の土曜にセビージャで大会があり、来週にはスペインカップで遠征する。

もういくらも日がない。
その焦燥で見ると、気が狂いそうになるとビクトリアが呟く。
この広い体育館のどの隅にいる子にも目が届いてしまうのだ。
実際、慣れてくると本当に全員の動きが目に入る。
私はまだ新体操の全ての技が、どう決まらないといけないかが分かっていないので
大概の子は上手くて天才じゃないかという驚嘆しかないのだが、
ビクトリアはその、私が密かに賛辞を送っている子をガタガタに怒鳴る。

「え?そんなにダメなの?こんなでも?」.............厳しいなぁ、新体操!!

デイエゴによるとせっかくの演技も、あと一秒かた持続できないで次に移っただけで減点になるか点が入らないのだそうだ。ほとんどできている、は、できている、にはならないのだ。
難しくてどうにもならない。
スポーツっていうのはとかくこれなのだ。

美しければどんな風に文字を崩して書いてもそれはやっぱり美しい、というのが芸術だとすると
ここの所の容赦なさは、スポーツ独特だと、又あらためて思う。

子供の父親が良く言うけれど「スポーツはどんなに良くても三番までに入れないとあとは屑扱い」
つまり、そうなってしまうのだな、としみじみ思う。

やっぱりここに来ると気が引き締まる。
私にはこれに比べたら自分のしている事なんか何にも苦労でない気持ちに洗われる。
この子達はこんなに一日の時間をすり減らすようにして打ち込んでいながら、暮だの夏になると
クッキーを卸値で譲ってもらって、親戚や親の友人に売りさぱく。
その僅かな利潤で体操着や、すぐにだめになってしまうシューズの費用に当てるのだ。

ここはみんなして清貧だ。
こういう苦労は買ってでもしないといけない。
どう生きるか、だけがテーマだと思う。何が残せるか、ではなくて。

さて、又根性入れ替えて頑張ろう、私も。



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 ■ スポーツマンの寡黙って....放っておきましょう
Date: 2004-03-23 (Tue)


一体みんなの選手権の結果はどうだったのかと思うのだけど
誰一人として言葉多く語ってくれない。
私以外の家族全員がばらばらに、いっせいに各地で選手権だったのだ。

遠征から帰った夜は一言も口がきけないと言う感じだった。

「あの、何か口がきけないみたいだけど、もしかして結果悪かった?」
かぶりを振る。
じゃあ.....???
「すごく疲れてる?とか?」
一瞬間があって
「死ぬほど....」

はっ!!失礼しました
....もううるさく聞かない。
かくして三日経ち...

「あのーーーねぇ、結果どうだったか、もう聞かせてくれたりする?」
子供の父親が出た「マスターズ」というのは年配の元水泳選手とかが出るのかと漠然と思っていたらそんな生易しいものではなくて20代の人が圧倒的で元オリンピック選手とか大変なレベルで、年かさが行っていてもせいぜい30台までなのだそうだ。
みんな選手上がりで相当なツワモノばかりで、それは厳しい戦いだったそうな。
この、毎朝タイムを計って仕事の前に生きているのが辛くなるくらいに泳ぐ人でも、八百メートル自由形の四百メートルで手も足も動かなくなりそうに辛かったと言うのだから。
その先は聞きたくないかも知れない。

じゃあどうだったのかというと年齢別では一番の賞状をもらってきたとお花模様の表彰状をちらっと見せられた。
そんなに辛い大会は、あとはいつあるのかと思いきや、来月だという。
年間ほとんど毎月勝ち抜いて行くらしい。
絶句してしまった。スペイン全国で点々と回って行われる。
ほとんどいつも上の水泳娘、下の新体操娘達の選手権と重なる。
しかし....本当にみんなよく飽きもせず本気の勝負を毎月やるものだと聞いているだけで、見ているだけで疲れる。

400メートルで手足が利かないくらいに疲労してしまったって、凄い、根性物語り、と水泳娘に同意を求めると
「私は今回の大会では、水温があんまり低かったのでバタフライで飛び込んだなり脚がつってしまったのよ、ママ!!つった脚のまま200メートルって、呼吸が止まるくらいに辛いから!」
ひえーーーー、さよぞんすねーーー、どちら様も人並み外れた克己の精神で、私めとしましては聞くも恐ろしいお話ばかりでござんす...

水の中でそんな必死の思いなんかするの嫌だ、恐ろしい。
私はオカです、オカ。フラメンコは陸です。

ああ、嫌だぞっとする。もう聞くのよそう。
無口な家族で良かった。



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 ■ オール選手権
Date: 2004-03-20 (Sat)


日本から帰国する前日まで私の家族は水泳のアンダルシア選手権で
ハエン県(スズキ自動車が労働組合と苦戦していた事で有名)に遠征していた。
私が疲れて帰ると、もっと疲れている選手の子供達がいる(笑)
「大丈夫、学校に行ける」と胸を張る新体操娘は、翌日登校し、疲労困憊の水泳娘は
銀メダルと共に一日休む。

私の家では学校は絶対に行かないといけない場ではない。
体が第一だ。そう思いません?
体の次に記録。その次は学校も。

まだよく話しも聞けていないのに、もう昨日から新体操娘はオリンピックがらみでマラガに合宿している。
今年はいよいよ全スペイン選手権に初出場なので、予選?だか、スペイン新体操界の予備軍としての試験?だかのためにC.A..R(Centro de Alta Rendimiento)から召集されている。

今朝はこれから水泳娘は又別の選手権を戦いに行く。
この子達の父親は、やっぱり水泳の「マスターズ」に出場するためにマラガ県のミーハスに遠征する。
昔から水泳部で鳴らした彼は、今日に至っても早朝に毎日タイムを更新する事に情熱を賭けている。
ついに遺言状までしたためて、今年から水泳のマスターズ大会に出場するのだそうだ。

どういうのか、もうこうなると私にはさっぱり分からない。
南スペインの大会と、スペイン全国の大会が年間通じてあり、年度の終わり=つまり七月に決勝があって最優秀選手というかチャンピォンが決定する。
スポーツ新聞とかテレビに顔が出る。

マスターズというのは、多分子供が出ているのと同じように年間幾つも大会があり、記録が一年にわたって競われて恐らくヨーロッパ選手権とかも勝ち抜いて行くのだろう。

と言うわけで、日本から帰ってからこっち、家族の大会前後でもみくちゃだ。
たった今、この時点でやっと朝焼けになったのにもう一家全員、選手権に出かけていて
家に誰もいない。
こんなに年中緊張感が漂っている家族もそうはいないだろうと思う。
うちは週末というと必ず選手権で、体育館から出て来れない。

私は今日は誰の事も応援しないし、新体操も帰国したてだからと帯同は棄権させていただいている。
午後から稽古だ。
思っただけで胃の辺りがぎゅっとしてしまう。
悪いけど人の選手権より「自分の選手権」でいっぱいだ。
もう時間が無くてジムにも行けないので、あの凄い機械をこれからデパートに行って注文して来ようと思う。
サロンに置いたら一斉攻撃されるだろうな......暖炉の脇に鉄棒取り付けて間もない。
地下でこんな事ばかりしているのは嫌だ。家族の顔見ながらやりたい。滅多に会えないし。
それにできればパソコンの傍がいいと思う。
これにかがみこんでいるのと同じ時間だけ筋トレするべきだもの。
頭上にシャンデリアが輝いているってのに、目を移すと鉄棒、拷問機みたいな筋トレマシーンがあるって
インテリアデザイナーは家に来たら呆れるだろうな。
うーーーーん、屏風でも立て回すか........?



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 ■ 横着
Date: 2004-02-15 (Sun)

デイエゴと話していると本当に、そのまま舞踊論文になってしまうような事柄が多い。
これはとても貴重だから、誰かが何かでヒントになるかも知れないのでできるだけ小まめに書きとめようと思う。
私達は実践家なので、全然踊れない人が机上で作り上げる舞踊論とはまるで違うのだ。

踊り込みと振り付け中のレッスンについて。
プロの中でも、振り付けや稽古中に全く本気では踊らないで順番とか場所だけ確認して、
ざっと通しているだけの人がある。
これは、これで正しい。
本気で力いっぱいやっていると最後には疲れきってしまって次のスケジュールに障ったりする。
こんな風に稽古する人の中で、例えばマイヤ・プリセツカヤがいるらしい。

デイエゴに君はどう?と聞かれた。
私はほぼ70%は舞台と同じだけの力を出してやるわ。と答えた。

本番中の全速力というのは、稽古では絶対に出て来ないから、100%でやってもやっぱり本番のが勝る気もする。

何故、ほとんど同じくらいにやるかと言うと、適当にしていると歩幅が違ってしまうし、速度も違う。
すると舞台での効果としての距離で失敗するし、振り付けて行く時点でもう一回転必要だったりするのに手前でやめてしまうことになる。
ともあれ、ほぼ同じに踊り込みながら振付けないと、後でそのつけは必ず払わないといけなくなる。

最終段階の稽古でつけを払うのならまだいいけれど、時間が足りない時は舞台でつけを払う事になる。
これだけは避けたい。
避けられない事もある。
だから時間のある時に私は敢えて楽観してこの方法を取らない。

デイエゴも私と同じ方法でやっていると言う。
意気込みが同じでないと歩幅も迫力も違うから、あっと言う間に舞台全面を突っ切ってしまったりする。
真ん中過ぎで終わるのと、斜めに突っ切ってしまったのでは後の展開がまるで違ってしまうのだ。

場所とか体調の制約下にある時は話しが別だ。
頭でさらうのは常にしていないといけない。
どんな細部の曖昧もこうやって検証し、次の稽古の時に潰そうと考えていないといけない。

ここで話は別の支流に流れる。

私が使う小道具がどうしても気になるとデイエゴが拘っている。
そんなに言うなら替えてもいいわよ、と私は折れた。

月曜の朝一番で欲しいとなると、日曜は店がやっていないから土曜のうちに買わないといけない。
やれやれ....夜の10時、閉店間際のデパートに駆け込んで物色する。
壊すといけないから同じ物を二つ買う。

夜、色々考えながら小道具をテストしていたら案の定、壊してしまった。
値札をちょっと引っ張っただけでばらばらになってしまったのだ。
ちゃんとはさみで切らないからこうなるのでしょう?とチビに説教されてしまった。
だから二つ買ってあるじゃない、先を見越して.....て?言い訳にならないな、こんなのは。
はさみを取りに行くのももどかしく、早くやってみたかったのだもの。


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 ■ 踊り手秘話
Date: 2004-02-13 (Fri)

身辺がざわざわしている。
いつになったら落ち着いてゆっくりと何かできるのかな、て昔から思い続けている。
そんな日が来たときには、きっと自分はお終いなんだろうってこの頃悟りを開いている。

昨日は大事な仕事の電話が入浴中にかかってきたのに水泳娘が私に伝言してくれてない。
机に向ってなんだか必死に暗記しているみたいな彼女に、つかつかと近づいて文句を言う。
すっかり忘れてしまったの、ゴメン.....

考えてみるとこの子ももう心ここにあらずなのだ。
来週木曜から4日間、アンダルシア選手権で遠征する。
年齢別のカテゴリー無しで、生え抜きの年上の選手達に混じって戦わないといけない。
で、学校の試験も宿題もあって、六キロも泳いだ激しい訓練の夜にこうやって勉強している。

下の新体操娘は夜になると、今日はここまで振付が進んだ、とか言って私に見せる。
3月にこの子も全スペイン選手権に初出場なのだ。
ビクトリアから、衣装は日本に行く前にちゃんとしておいてやってとクギを刺された。

自分の公演の衣装は衣装屋に出しても、子供の戦闘服は縫ってやらないといけない。
やれやれ、と思うけれど結構これは楽しみだ。
もう大方できている。やりだすと早い。めちやくちゃカッコいい。
何とでも言って。自画自賛。はい、そうです。

新体操の衣装ではきっと成功するからブティックをやれって言われている。
踊り手で失業したらこの道が待っている。
おお、一つの芸で破滅したらこっちの芸が身を助けるかも。

何にしても芸は身を助ける。....そうだろうか???
昨日の話。
精神のバランスを保つには当たり前の日常の仕事、買出しとかに限るって
ベツカムが言ったので、そうよねぇ、と昨日スーパーに買い物に行く事にした。スペインはファックスで注文できてしまうので私は滅多に買い物に行かない。

大型のカートを押して、精神のバランスのために(笑)買い物していると、
見知らぬ主婦が飛んできて、「あの、それ私のカートみたいですが。どこに行っちゃったかと探し回ってしまったわ」赤面。

次に、どこに車を駐車したか分からなくなってしまって、もう少しで泣いてしまおうかと想像したくらいだ。
スペインの駐車場は球場みたいに広い。

今朝になって水泳娘が、
「これ、ママの鍵よ、気をつけてね。昨日ドアに差さったままだったから」
返す言葉もない。

芸は身を滅ぼすの間違いかも知れない。



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 ■ 舞踊、観客に問う物
Date: 2004-02-11 (Wed)


デイエゴは曖昧が嫌いで徹底して質問してくる事がある。
昨日の稽古で、私が使う小道具について思いがけない追撃をされてしまった。
「どうしてここでそれが出て来る?」
「だって、それが一番ストレートで分かりやすいからよ」
「で、どういう象徴にしたいわけ?なんでそれでないといけない?他の物ではダメ?」

ダメよーーーー勿論!!と思ったけれど、彼から代替をあれこれ列挙されてたじたじになった。
ダメと言ったらダメなのだ。
何故なら私がダメだと思うからだ。

「それでこの話は観客に結局何を訴えたいの?どの部分、根幹は何?
どれにしようと思ってる?」

驚いてしまった。そんなのは観る人の勝手なのだ。

「ねぇデイエゴ、私はどう感じろ、どこが主題なんだからそう思えって、観客に押し付けないの。
どの場面を取っても必ずそれを生きた覚えがある筈で、その人それぞれの生き方と心のあり方で心に深く突き刺さる場面は違うのよ。終わった時にどこで感激していてくれてもいいの。それはその人の人生であったし、きっと共感する場面が違うはず。私の役目はそこまで。共感と感動を引き出す、と言うところまでが芸術の本望だと思っているの。」

デイエゴはちょっと驚いて、Muy inteligente....と呟いた。

インテリヘンテかどうか知らないけれど、私は踊りから何を感じろ、と観客に対して思った事がない。
これは仕組んだ理論ではなくて私はいつもこうなのだ。

それは何かとても美しい物であったり、何かとてつもなく胸苦しいものであったり、
ショックであったり、甘美なものなのだ。
ただ、むしょうに淋しい美しいもの、とか。

汚くて不愉快でおどろおどろしくてはいけない。私はこういうものはやらない。
芸術は美の反対側にあるようなものを演じても絶対に何がしかの美がそこに存在しないといけないと思っている。だから私は怪しいモダンバレエだの、コンテンポラリーを見るくらいなら、いつもの白鳥湖を取るのだ。

モダンとコンテンポラリーの時はいつまでもどうしようかなと私は用心する、のが正しいかも知れない。
又、ヘンなものが出てきたら嫌だな、と思うからだ。

一分間くらい箪笥が出ていて30秒後にスリップ姿のダンサーが傘さして出て来る、なんていうのは
かなわないからだ。
コンテンポラリーなダンスの恐ろしさはここだ。
一体何を表しているのだろうと常に観客に考える事を強要してへとへとにする。
人は癒されたくて劇場に行くのだ。こんなのはかなわない。

「私ね、舞踊は分かりやすくないといけないと思っているの。誰が見ても、ああ!て一瞬にして
理解できるような象徴、それが台本を作る者の才覚だと思ってる。頭をひねらないと分からないような物は
もうそれだけで失敗の駄作よ」

デイエゴは唸った。
実は私も自分の言葉に驚いた。
かみしめてみて、うーーーん、なるほどねぇ、と少し感心した。

自分の思っている事って、つまり意識の底に沈んでしまっている本質みたいなものは
自身でも、こういう機会を得て始めて言葉になるものらしい。

どんなに独創的なものでも、観客の胸に一秒で届くものでないと私はやりたくない。
無駄はみんな省いて、そういうものの結晶だけでできた舞台しか踊りたくないのだ。
長いだらだらした踊りは好きではない。
お客もきっと嫌いだろうと思っている。

デイエゴが来てくれて嬉しかった。
自分の持っている大切な何かが自分で確認できた。
ちょっとした舞踊論だな。
もう既に誰かがどこかで言っていたとしても、自分がこう考えているってはっきりと意識できた。
それは、なんとなく新鮮な驚きだった。



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 ■ スポンジ
Date: 2004-02-05 (Thu)

子供が心配顔で衣装は?
直してくれるのでしょう?
と恐る恐る聞く。
学校に行く前の玄関先だ。

ええい、うるさい!!、何かやってあげないで困ったことが一度でもある?
と聞き返す。
ない、と力なく返事して登校する。

なんだか明日の金曜に学芸会だか市の催しで
カルメンのハバネラを踊るのだと言う。
はて、何の日だろう、なんかの日かな、アンダルシアの日?

私の稽古場に、下の娘がつんつるてんになった衣装と(すぐに背が伸びる!)
踊り用の扇子が無い物だから(無いのですよ!)
OFSのレコード宣伝用か何かの良く開かない、閉じれない扇子をはためかせながら
入って来た。
「こういう振り付けなの」、と臆面もなく踊る。
あまりのダサい振りに絶句。

「誰が振付けたぁ??」
「先生。」

「ね、もっとこう、お扇子こんな風にやれないの?」
ちょうどこっちはグワヒーラスをやっている最中だ。
動いて見せてやるが相手は覚える気もない。
「一人だけカッコつけてやっちゃいけないんだもん。」

「じゃ、そのすごいハバネラをそうやって踊るんだ、稽古して?」
「うん、そう。オーケストラも来るの」

心なしか嬉しそうにしている。子供って何が好きか本当に分からない。
(と書いた所で音楽の先生から電話が入った。明日の劇場には行ってやれないのかと言う。子供が来なくていいと言うので自分の練習を入れてしまったとあたふたと言い訳する。次回からは振り付けをお手伝いしますのでご遠慮なく事前に呼びつけてください.....冷.汗)
いやぁ、参ったな。困っちゃったな、デイエゴとの練習のキャンセルしたくない。絶対に嫌だ......て。

こういうものに嬉々としているかと思うと、

3月のスペイン選手権の個人で
ボールでデビュー戦になる。
昨日ビクトリアにいよいよ振り付け曲を決めて来られたら
なんとドランテのセンブランサだと言うのだ。
これは私の曲だ。

半分くらい振付けられているのを、うちでやって見せる。
ボールでとても難しい演技で、見ているだけではらはらする。
これもケロッとしてやってのける。
子供ってスポンジみたいだ。
どこに行って何を言われてもすいすいと吸い取って来て何の疑いもない。

あっけらかんとしていて、おかしい。



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 ■ 今日は遅すぎ、明日こそ.....
Date: 2004-01-31 (Sat)


子供のオールインワン・レオタードに工夫がある。
大人のタイツをそのまま使う。足先だけ切ってしまって、大人ならウエストでおしまいになるのが
子供だと胸の辺りまで来るから
肩紐としてゴムをつけるとオールインワン式のタイツになる。
毛糸のタイツで作ると冬にとても良い。

こんな物を手作りしてやるのは楽しみだ。
大人用のカラフルな色々な丈のレギンスをレッグウォーマーにして使わせる。
安価だからいっぱい洗い換えができて安心だ。
切ったはぎれで髪に結わく飾りもお揃いにしてやる。

紙面では説明が難しいけれど、薄いストッキングでとってもきれいな上に着る物も作れる。
ちょっとハサミを入れるだけでできてしまう。

こういう素敵なアイディアはどこかのバレリーナの知恵なのだ。
長い稽古の末に人は色々な工夫をする。
詠み人知らず、という感じで受け継がれて行く。
健気な踊り手達のぬくもりが伝わる。
ああ、踊り手達。
なんとも言えずにいとおしい、これらの工夫のあれこれ。

稽古場のしんとした、冷たい冬の朝が好きだ。
思い出す限り、どこのプロスタジオにもストーブがなかった。
私の家にもない。
スペインのスタジオは、冷暖房がどこにもない。
(まさかロシアにはあるだろうけれど)

冬はつとめて......か。
明日の朝は暗いうちから頑張ろう。
踊り手は稽古場にいてこそ本望というものだ。
与えられた幸福に感謝しなくてはいけない。
稽古は一心不乱でないと意味がない。
毎日、初心者のように頑張らないと。
与えられた生を生きなくては。

11:00開始ダメ、猛反省。


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 ■ すぐ良くなる、すぐ忘れる、子供というもの
Date: 2004-01-30 (Fri)

体育館に向って車を運転していると
後部座席から辛そうなかすれ声が聞こえて来る。
不審に思って信号で振り返ると、子供が肩のエクササイズと甲出しをいっぺんにやっている。
シートベルトをつけているけれど前の座席の間に甲を入れてやっているのはなんだか私を不安にさせる。
「タマちゃん、甲はやめない?何かの事故にでもなった時に危ないし......」

もう三回も交通事故に遭っている。追突を二回されて、集中豪雨の時にスリップしている。
ヘレス行きの高速で車が故障を入れると4回の痛手。
装甲車が欲しい。
早く買い換えないと。

子供なりに考えてみたらしい。
移動中の車くらいしかもう時間がないのだ。
一日のどれを取っても、本当に寸暇もないと言う感じだ。
私も子供達もみんな家族全員、時間とのバトルだ。

ビクトリアにこの間も怒られたんだって?
これは認めたけれど、誰の事もライバル視していないと言う。
子供の生真面目な応酬を聞いてみると、ビクトリアの言とちょっと事情が違う。
まとめ。
「とにかくね、ばかばかしい事しているっていう印象が持たれる様な所に、ぼさっとしていたからそうなる。
誰が何していようがちゃんと自分は健気に訓練し続けていたら、一まとめにされる事なんか絶対にないんだから。
問答無用よ。同じ色に染まって見えるのは、見られる方が悪いんだから。脇目もふらずにせっせとお稽古しなさい」

「こうやって送って行くだけで私は一時間も無くなるんだからね!一日何も他にする事のないお母さんと同じじゃないのだから。忘れてもらっちゃいけないわよ。ん?」

「はい」
ああ、まだこうやって殊勝に聞くうちが花だと思う。
いつか胸苦しいような切なさでこの一瞬を思い出す時が来るのだろうな、とも思う。

「タマちゃん、続け様はダメよ。30まで数えたらほぐす。7セットやりなさい。きっと違って来ると思う。まだ体がすごく柔らかいのだからあっという間に良くなる。やったらもう、何もしないで少し休む。分かった?」
バックミラーに伸び上がってにっこりする顔が見えた。

体育館でビクトリアと二言三言交わして帰ろうとすると
素足で訓練を始めようとする娘が目の端に止まった。
足首と足を冷やしたままでやってはいけないとあんなに口が腐るほど言っても
他の子のようにそのまま何も履かずにハーフシューズでやろうとする。
呼び止めて叱る。

ああ、.......気が抜けない。
どんなにこんこんと言って聞かせても、この通りのお粗末さだ。
もう、本当に脱力してしまう。

諦めない、飽きない、それが親というものかも知れないな。
やれやれだ........


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 ■ 空にすわれし、15の心.......
Date: 2004-01-29 (Thu)

あの後、ちらっと主席コーチのビクトリアと会った。
なんだか冴えない顔色をしている。
どうしたの?と聞くと
疲れているの、と答える。
「顔色は青いけど、なんていうか別の魅力が見えるわよ、きれい!今日」
そう言うと、この人らしくなく照れて、うん、もう、まさか!と袖をつかんだ。(びっくり)

ビクトリアは実際、日本人好みの端正な美人顔なのだ。着物着たら似合いそうだ。
江戸前の芸者みたいに美しい細面なのだもの。
今度、着せて写真撮ってやろう!!

それはともかく、タマーラがマルページャで失敗だった件を聞いてみた。
いつものように多くの教育ママが、何でうちの子は??なのかと少し心配して彼女が身構えた。
そうじゃないってば。本人が認めているのよ.......

最近、タマーラとアナとルシアの三人はいつも激しい競争心に駆られているとビクトリアが言う。
それでいて三人でじゃれあったり、はたまたけん制し合ったり、心ここにあらずになったりして
「ムカつくわ!!!」と言う。
「ほんとね!!」
見なくても想像がつく。

「この間、物凄い雷落としてやったところよ」とビクトリアが言う。
「私は夕べ、がたがたに言ってやった」と私。

三人が激しい競争とけん制とを繰り返しているのは、そんなに悪くない。
年頃が似通っていて、いずれマットに出て勝負になるのだから。
いいライバルというのがいても構わない。

でも、たかが自分の周囲の人を目標にしてはいかにも小さい。井の中の蛙だ。

本当はプロ中のプロをこそライバルにして、指針にして、自分と戦うべきなのだ。

こういうのはそろそろ言って聞かせないといけない。
狭いクラブ内のその中でまぁましと言われている仲間とか、
バレエなり舞踊での教室の誰それ、なんていう規模で自分を小さく限定してはいけない。

私はほんのつまらない10代の子供の時から、周囲にライバルを持った事がない。
フラメンコの教室に居た時でも、誰かより抜きん出て、なんていう規模で炎を燃やしたりということはついぞなかった。
このまま学生生活を続けていたら、スペインの少年少女に負けてしまうという切なさでいっぱいだったけれど。

自分の周囲も、まして日本国内なんていうものは眼に入らなかった。
大それた、と言えば言えなくもない。

けれども結局自分を高めるのは自分の精神のあり方しかないのだもの。

それは透明で宇宙に届くほどでないといけない。

根拠もなく、私はこれをなんとなく真理だと感じて生きてきている。
だから誰に分からせられなくとも、自分の娘にだけは分からせたいと思っている。





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 ■ 身も蓋もなく
Date: 2004-01-27 (Tue)

夜、稽古をしていると、新体操から帰ったタマーラが浮かない顔で入って来た。
どうした?

先ごろ出かけた、英才少女集中訓練での採点が思いの他悪かったのだそうだ。
オフレコで今日、デイエゴから聞いてきたらしい。
もっと努力するようにね、と言われたという。

やたらとボールを取り落として気持ちも動転してしまったと言うのだ。
そう話すうちにも、何か引っかかっているのが見て取れる。

どうした?

一緒に選ばれて行った他の選手のルシアとロレーナは高得点で、補欠にしてもらえたらしい。
娘は無念で胸が騒ぐみたいに見受けた。
「ルシアは....ルシアは、何もちゃんとできないのに.......」と言いかけたので、急いで黙らせた。

「タマちゃん! ルシアはものすごくきれいな甲をしている。膝が入っていて脚がとてもきれいに生まれついている。
あの子は怠け者で高慢ちきだけれど、ああいう風に生まれついているから何も努力しなくても全部の技がとてもきれいに見えるのよ。おまけに美人」

「美人かそうでないかは関係ないと思う。」反撃して来た。

お黙り!と言う感じで私は畳み込む。

「美人は関係あるわよ。ここに同点の選手が居たら絶対にきれいな子の方に得点が増えるのよ。これは決まっているの。新体操は他のスポーツと違うのだから。
デイエゴに何と言われたって?膝と足の甲をもっとやらないといけないって言われたのでしょう?
あなた、ママにも言われたでしょう?いつも言われていて、こういうエクササイズを欠かさずにやらないといけないって言われなかった?で、あの日から毎日やった?じゃ、何日やった?ただの一日もやってないでしょう?
そうやって怠けていなさいよ。産みの母親でもうんざりして注意しなくなれば、コーチやトレーナーはあんたの事なんかすぐに相手にしなくなるのだからね」

「人と同じ事やっていてずば抜ける事ができると思う?自分の欠点を毎日一つも忘れずに努力もしないで
誰よりも素晴らしい選手になろうって、図々し過ぎない?寝て起きたらなってるとでも言うの?」

「あんたなんかの程度の子は、このスペインには掃いて捨てるほどいるのよ。朝、学校に行く前に何かやってる?
夜、寝る前には?みんなと同じ訓練だけしていて、生まれつきの条件を持った子にいつ勝てると思ってる?
学校に行っている間も先生のお話聞きながら、こうやって足のエクササイズやるのよ。そんな事も頭で考えられないで、悔しがるんじゃないわよ。呆れた図々しい、バカな娘ね!!」

黒い目に見る見る涙が貯まって、ぽろぽろと無言でこぼれ始めた。

こんな時、普通の母親だと不憫になるのだろうか、と私は冷ややかに考える。

ボールを取り落とした事など減点の対象になんかなってやしないのだ。
行かなくても、見なくても、私には分かる。
生まれつきの条件がことごとく揃った子が選ばれたのだ。
娘は欠点を見抜かれたに過ぎない。ただそれだけの事だ。

「12才になったらもう体は堅くなり始めるのよ、分かってる?
もうすぐ10才でしょう?この一年でなんとかしなかったらあんたはお終いよ。
まだ間に合うかも知れない。でも早くしないと誰からも相手にされなくなる。
ママはもう何も言わない。なぜってもう飽き飽きしているからよ。
そんな、なるべくしてなった事にバカらしい涙なんか流すんじゃない、あっちに行きなさい。」

こう書くと相当ひどそうだけれど、実際にはもっともっとうんと言い募って辛らつにとどめを刺した。
鬼のようかも知れないが、ヒステリーになるわけでも、一緒に悔しがるわけでもなく、私はこういう時に
しごく冷静だ。

9才と言う年はそんなに幼いわけでもない。
もうこんな事くらい分かっていないといけない。
ボールのせいなんかにして、ああそうかいとでも言うと思っているのか。
見くびっちゃいけない。

努力すれば多分、スペインチャンピォンくらいには一度はなれるかもしれない。
でも、オリンピックほどには行かないだろうと思っている。行かなくても私は何ともない。
実は新体操は体に良くないし、このくらいで止めさせたいくらいだ。

やる気を起こして、膝と甲と肩を克服したらいい踊り手になると思う。
いや、何にもならなくても、構わない。
けれども人と同じ事をしていて抜きん出ようという根性だけは、叩き直さないといけない。
悔しがる権利なんか、更にないのだ。
不甲斐ないと思ったとしたらこの点だ。

これだけは私はどうしても我慢ならない。
やっぱり腹を立てているかな........



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 ■ レッスンの検証
Date: 2004-01-26 (Mon)

公演準備にわさわさしていると、筋トレを始めとする総合的な訓練がストップしてしまう。
もうクラブに鍛えに行かなくなって久しい。
こんな事ではいけないと思うけれどどうにもならない。

最低なのはいよいよ仕事で回っている時で、この真っ只中になると基礎訓練さえしなくなる。
夜の本番にエネルギーを貯めておきたいから当然、稽古はいつものようではない。
だからアーティストは普通、早く公演が終わって日常に戻らないと、と結構焦る。

総じて、公演前は公演だからと緊張と焦燥の中であがいていて、
公演中はああ、早く訓練しないと、と焦り、
いつも精神衛生上よくない生活になる。
何かいいことあるのかな?と思ったりする。
この矛盾に満ちた日々。

私の相手役の踊り手が明日辺りから確かイタリアに行く。
いつも外国に行く仕事はいやいや、という感じだ。
舞踊団にいることにうんざりしている。
国立バレエでもそうだけれど、人に言われた物を延々と何年も踊るのは辛いものだ。

クリスティーナ・オヨスは国家栄誉賞に輝く舞踊家だけれど、あそこの舞踊団はこのところごっそり人が抜けて来ているみたいだ。
どうして?と聞くと、さすがにプロだから内部の色々な葛藤とかそんなのは言わないけれど
(でも勿論あるのだ)もう五年もクリスティーナと一緒だ。そろそろ他の人と交わりたい、違う物がやりたいと言う。

ガデスにしても四作しか作らないで例えば30年くらい世界を回った。
前奏が聞こえただけで出演者は胸が悪くなったかもしれない。

私はシギリージャが上手だと言うので、多分何千回という単位でこれを踊らされた。
プログラムから外してもらえなくなって窒息してしまった。

忘れもしない、90年を最後に、今に至るまで二度とこれを踊っていない。

今年の6月の公演で、初めてプログラムに入れるのだけれどなんとここまでに13年の空白が必要だった。
あれを再び踊りたい、と思うまでに。

子供の頃の憧れは紛れもなくシギリージャで、あれが踊れるようになったら本望だと思い詰めていたのだ。

日々の訓練、短期、長期の見通しとプログラム、それに常に検証するという事がいつもマメにできないといけない。
踊りのプロというのは、ずぼらな人には決して勤まらないのだな、と思う。
でも、あるいはこれはどの道のプロにも通じる道なのだな、とふと思う。
真実はいつも一つだ。

ああ、稽古、稽古。


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 ■ 貧富の差
Date: 2004-01-25 (Sun)


新体操娘がぐったりして帰って来た。
なんだか要領を得ない話を繰り返しさせてみて、やっと明晰になってきた。

英才少女達は、ただの訓練を受けたのではないそうだ。
なんだかオリンピック関係のトレーナー陣が、試合の時のようにずらっと座っていて
厳格な雰囲気の中で、選手達を全員採点していたそうだ。
テストだったのか。
コントロールと呼んでいる、このお目見え訓練は、国の最高のコーチ達が目ぼしい選手を
ファイルしておくためのものらしい。

ロシア人のコーチが居たと娘が言う。
自分はほとんど全ての技は上手に出来たのだけど、ボールだけは汗で手がすべって
下手ばかりしてしまったと残念そうに言う。

マルページャのCentro de Alta Rendimientoの体育館は素晴らしく、
新体操用のあの広い広いマットが、4枚も悠々と敷いてあったと言う。
とてつもなく大きいのだ。

マラガ県のマルページャ市というのは、スペイン国内でありながら外国のような特別な土地で、
おそらくスペインで一番お金が落ちる土地なのだ。
ヨーロッパ貴族とハリウッドの有名映画スター、政界、財界の著名人がひしめいている。
ジェット機とヨットを持つ極めつけの大金持ちがいっぱい集まる。
アラブの銀行もある。これ一つでスペイン全土の銀行より預金があるだろうとさえ囁かれている。

だから当然、新体操もマットが四つもあるわけだ。
セビージャなんかとは比べ物にならない。
お金に糸目をつけずにじゃんじゃんコーチも雇うし、衣装もきらびやかだ。

こういう背景を持つマルページャのクラブを相手に、我らがビクトリアは
いつも全然足りない資金繰りをしながら、本当に良く健闘していると思う。
この贅沢なクラブを出し抜いて、ほとんどいつも一番の表彰台に自分の選手を乗せている。

この選手達ときたら、真冬でも壁がないような、コンクリート床の粗末もここまで来たか、というような体育館で
日々訓練しているのだから。

タマーラが言う。
「マルページャの床はマデリータ(木製)でルイデイート(音)がするのよ、ママ」
「ああ、タマちゃん、そうでないといけないのよ。ルイデイートがしないとね、お膝や背骨にとっても悪いのよ」
............なんだか悲しい会話に、胸がちょっと痛む。

六時起きの子供は家に着く前に後部シートで前後不覚となっていた。


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 ■ なまけものの記
Date: 2004-01-24 (Sat)

家に一人ぼっちでだらだらしている。
こうしている間も良心の呵責に結構さいなまれている。
いっつもこんな時に、稽古していない事にこうやって後ろめたい思いで暮らしている。
思い出す限り、全部の人生、こうやってこそ泥のように後ろめたがっている。
笑ってしまおうかな。

上の水泳チャンピォンは昨日は風邪で学校を休んだのに
訓練の時間になると行くと言ってきかなかった。
どんなに止めても行くと言い張るので行かせてしまった。

下の新体操娘は、いよいよ本日、スペインの英才少女候補として国のナショナルチームの
訓練に呼び出されている。マルページャ市にある専門の競技場で朝から訓練している筈だ。
早朝から始まるので夕べから泊りがけで出かけている。

父親はマスターズの大会に出るので毎朝ストップウオッチ付きの訓練を欠かさない。

うちで一番ゆとりでだらついているのは私だけなのだ。
焦るーーーーー。

衣装で模索している。
どうしようかと夢の中にまで出て来る。

どうしてもビロードが着たいシーンがあるのだけど、ベルベットの偽物の生地だと軽いけれど
ライクラみたいに伸び縮みする。
裾をよく踏んでつまづく事が多いので使えない。

私ほとんど偏執狂のようなしつこさで衣装に凝る。
こればかりはどうしようもない。
昔からだ。
どうしても何にでも拘りがあって、人任せということができない。
衣装屋に任せても気に入らないと袖も通さない。

で、いつでも忙しくて自分の首を三重くらいに絞めて息も絶え絶えになって暮らしている。

仕方ないからこれから生地を探しに行く。
何かあおーーーーい物が着たいので、そのあおーーーーい感じのぴったり来る物を探しに行かないと。
もしかしていっそウールだといいかもしれない。

ああ、窒息する。
頭の中に照明の構図がちらついて、
その下にいる生地の事が心を離れなくて
夜も昼もなく、こんなイメージばかりの幻覚の中に生きている。

そう言えば、いつもこんな幻覚がほとんど70%という人生かもしれないな、と今、気がつく。
普通人として暮らしているみたいな表面の一皮下は、私はいつでもこういう感じで生きている。
現実の方がいつも適当だ。
だからきっと空港で怪しまれ、雑踏で変だな?と目立ち、
なんとなくおかしいなぁ、と思われるのかもしれない。
芸をしているからこうなのではなくて、こういう人間だからきっと芸に近づいて行ったのに違いない。
それで私の不明なところは、日本で人に教え始めるまで、人は多かれ少なかれみんな自分のようなのだと
思い込んでいた事だ。

「こう、振りを突き詰めて行くと、そこでぱあーーーーっと霧が晴れる一瞬があるでしょ?
そこで思い切る訳よ」、みたいな説明をしても生徒がぽかんとしていた辺りから、あらっ?と
思い始めた。霧が晴れないと言うのだもの。
こういうのは精神科かなぁ........
いえ、その、霧についてお話がツウカーで出きる相手は。
アーティストって、アシンメトリーの方向にいる人達の総称かも知れない。
こういうゴタクは晩年になってからゆっくり考えようっと。

なんですねぇ、一家総出で訓練しているっていうのにさ、暇な考え事してだらた゜らと。
あの、うちの水泳娘は毎日6000メートル泳いでいるんですと。はあーーー私なんて怠けもいいところですよね。
娘産んでおいて良かった。そうしないと気がとがめるって事がなかったかも知れない。
さぁて、オリンピック娘の向こうを張って、生地を探しにーーーー午後は稽古してーーーーと。




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 ■ 振付家のライセンス
Date: 2004-01-20 (Tue)

3月に新体操のスペイン選手権の予選がある。
スペイン選手権は、年齢の下限が10才だから、うちの娘はまだ出られない筈だけれど
5月生まれなので、本選のある夏には10才になっているため、予選にも出られるらしい。

もうこの選手の選抜が発表になっただけで、憤慨して子供を辞めさせる親が続出しているそうだ。
大会に出す選手を選ぶ度にこういう事が起きるので、ビクトリアも心労が絶えない。
ごく僅かの子供しか出さないのだ。多分五人くらい。子供は50人はいる。

衣装の手当てもあるし、久しくみんなに会っていないので、昨日は車を止めて慌しく体育館に駆け込んだ。
もう既に父兄につかまって何か激しく言い合っているビクトリアに目で合図して
ちょっと連れ出す。

しばらくぶりの彼女は、なんだか面やつれしている。
「どう?そっちは?」
ビクトリアが私を気遣ってくれる。
「この通りよ」
サングラスを外して化粧も何もない顔を見せる。

「もうね、先週なんか稽古着のまま寝てた。どこに行くにももうこのまま」
「こっちも同じよ。ジャージ脱ぐ間がないもの。振り付け苦労してるわ」
..........今年に入る前からもう何も手伝ってあげれてない。

「ところで、今週末はタマーラを預けてもらうわよ」
出し抜けに言う。
「マルページャに連れて行くから。もう顔見せしておこうと思うの。」
どきっとしてしまう。
マルベージャという地名だけでこの世界では、オリンピック選手養成用の英才寄宿学校を指しているのだ。
スペイン全土から40人の英才少女達がここで訓練を受けている。

ビクトリアの指揮下にここに出入りするうちのクラブの選手が二人いる。
タマーラと他に三人の選手がこれの次期候補として、ロシアやウクライナのコーチにお目見えとなるらしい。
「今年はあなたもライセンス取ってね。新体操の振付家として。そうしないと重要な大会や、マルページャでの
集中訓練に出入りさせてもらえないから。忘れないでね、来月よ」

ふあーーーー、ライセンス取得、ついに来たか。
友繁先生、いよいよスペインオリンピック関係の奥地に潜入。
IDカード、来月取得の巻ーーー。
今週の土曜日、行きたいなぁ、一緒に。どんな激しい訓練をしているのか見たい!!
スペイン全土の天才少女達が一同に集まっている様子、是非見学したい。

6月の公演が終わったら、私はジャズのグループと仕事があり、その合間を縫って
いよいよスペイン選手権に帯同する。
このくらいスケジュールが詰まっていると、ダレなくていい。
本当に、ダレてなんかいられないのだ。一生懸命やらないと。
疲労気味だけれど、生きている、ていう実感だ。
踊りとスポーツ、これのない人生なんてとても生きれそうにない。
芸術に栄光あれ!!!!!


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 ■ 足の考案
Date: 2004-01-19 (Mon)

稽古の後にビデオを見ていたら
下記のナルシスト君は、私のパートにいつも気配りして
何回も助言してくれているのが入っていた。
あら!!

稽古中には気がつかなかったのだ。
あんまり没頭していて、親切に何か言ってくれていることに気づかない。
スペイン語も現地にこれだけ住んでいると、イントネーションに相手の親切がにじんでいるのがちゃんと分かるから意外の感に打たれた。

いやぁ、親切だなぁ、こんなに何回も言ってくれているのに全然無視してしまってて、私って.....

ここは猛反省しないといけない。
けれども次の展開を見ると、エスコビージャの追い上げで死ぬほど早くなっている。稽古でこれだけ燃えて上がってしまうのだから本番ではもっと凄い展開になると、私はぞっとする。

なんだか昨日から右ひざを少し痛めてしまっている。
何といっても早い。強い。難しい足なのだ。

軽いのにくっきりした足を考案しないといけない。
これが当面の課題だ。
情熱の赴くままに体を壊してしまってはいけない。
保身のために芸が曖昧になってもいけない。

しっかり研究するのだ。そのために頭はある。フラメンコの飾りグシをつけるためではない、と。

衣装の発注に行かないと間に合わない。
どうしよう、まだどんなのにするか決まらないのがいっぱいある。

やれやれ、踊るということは、かくも大変なことであります。


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 ■ ナルシズム
Date: 2004-01-17 (Sat)

 
 今日は、共演の男性がやたらとめかしこんでしかも遅れて来た。
音楽家達は朝も早くからずっと作曲に手直しをしている。
一人が遅れてくればやれなかったりすることが多い。

一時間近く遅れた辺りから私はいらいらが抑制できなくなって来た。
みんなとても忙しい。本番がある人もいる。
こんな事は許されない。
いざ、この極悪人がスタジオに入って来て曲を通すと
私の目から火花が出ていたかもしれないというくらいの苛烈な
デュオになった。

本当に役柄でこの男性と戦いの踊りになるのだけれど
二人の戦いが今現実にこの日は本物なのを周りの音楽家達は嗅ぎ取っていた。果し合いだ。
ものすごい迫力で決まった。
本番でも怒らせてくれ!と一瞬思ったほどだ。

優しい美しいデュオでは、相手がいつもよりバケツ三倍くらいの大袈裟な情熱で絡んでくるので、ええい、うるさい離れろ!と囁いた。

スペイン男の典型で、こうなると意地でも引き寄せようとする。
さっきの敵をここで取ろうとする。
挙句に今日はめかしているので自信満々の彼は
ばかばかしいまでの情熱で人の目を覗き込むのだ。
わかります?
伊達男みたいに。

それでいてこっちの思惑なんか勿論どうでも良く、
自分がどんなにカッコいいかだけしか彼の頭にはないのを私は辟易としながら見抜いている。

気障に片眉あげるものだから
こらえきれずに
「ああ、ああ、カッコいいわよ、最高だわよ。だからお願い、意識戻して。酔い痴れないで」と言ってやった。

まったくねーーー、どうしたらこんなに自分に溺れるだろうか。
女の踊り手より男性の方がずっとこの感じは多い。
男のナルシズムは、結構肉食のしつこさがある。

本番になったら危ない。
私を蹴飛ばしても、自分が前面に出ようとするかもしれない。

舞台裏の話としてこういうのは本当に多い。
踊り手でなくても、楽器で、何にも張り合うことがないようなお互いの位置関係の筈でも往々にして起きる。

自分より踊り手がお客にインパクトを与えると気にする楽器奏者もいる。男だから女と張り合わないとは限らないのだ。

舞台の上は危険で、何が起きるか分からない。
稽古場で眉を上げてるだけでは済まないのは、確かだ。
しっかり技を磨いておかないといけない。
ナルシズムは敵だ。


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 ■ 真夜中の稽古
Date: 2004-01-11 (Sun)


今年の6月9日に長野で、12日に東京のメルパルクで、公演する。
私の半生を賭けた大作で、目下毎日稽古に入っている。
非常にレベルの高い音楽家達と共演するので、厳しい思いをしているが
生涯全部くらいの経験もしている。
一分ごとに感心したり、驚かされたりの連続だ。

フラメンコというのは即興で何でもどんなテンポでもどんな初共演者とでもできないといけなく、
私はこのフラメンコの原点になると独壇場というくらいに自在にやれる。
全部、徹頭徹尾、即興というのが私はとても好きなのだ。
頭に何も準備しないで舞台で呼吸するのが好きだ。
相手がどう出るか分からないのを間合いを計りつつ、仕掛けて行くのはとてもスリリングで素晴らしい。
これこそフラメンコの醍醐味だ。

今回の舞台で一部でこれも勿論やるが、二部は最大の舞台作品としてこれ以上は難しいというくらいの肝いりで
みんなで振り付けている。
音楽もオリジナルで、心理描写を音に託して音と私は一心同体になる。

これは本当に上手い、才能に満ち溢れた音楽家を得ないと絶対に実現できない。
時間も丁寧にかけないといけない。
こんなに才能ある人を一音作りからキープして、みんなで仕上げる贅沢をしないと出来上がらない。
だから今までやったことがない。

凄いレベルの作品になると思うと本当に感激だ。
あとは自分の役柄を深めて徹底的に稽古するまでだ。

一日中、稽古に明け暮れていて新体操はお休みさせてもらっている。
よく体育館の別室を借りて、ここでフラメンコの稽古を一人でしていることもあるのだけれど、
今はとにかく寝食を忘れて、というレベルなので体育館に行く間もない。
こうやってHPに息抜きに来て愚痴をこぼすぐらいしか
余計な事ができない。
このページがあってくれて嬉しい気がするくらいだ。

本当はバレエテクニックの話をしようと思ったのに脇道に行ってしまった。

私の共演者である男性は、バレエも良く出来た人なのでピルエットも物凄い。
脚は陸上の選手だったので、強さは比類なく、このバネで回転が決まるのかも知れない。
他には、つまり重心が決まっていて安定していないことがない。
体が完璧に踊り手になっているのだ。
そうすると緩やかに始めても五回転が平気で決まる。
毎日、相手の無駄のないこういう動きを、動物学者のように見つめて考えている。

とにかく四人の天才的な男性達が、男の世界、ていう感じに寄り合って音とリズムに
磨きをかけているさまは、畏敬の念が起きる。
フラメンコはどんどん難しくなって来ていて、音楽もリズムも世界に無敵というくらいに研ぎ澄まされて来ている。
本当に感じ入ることが多くて、夜の眠りもなくなってしまうのだ。
夕べも稽古していたら、もう3時近くてあわてた。しかも寝巻き姿で鏡に映っていた。
いつから夢遊病になったかな、と思う。



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